i:Cube exclusive interview 特別独占インタビュー
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i:Cube/Nicolas
Chaix interview @music copy rights jp
[ Interview & Text by jun ide]
ABOUT RECENT WORKS
●まずどのような経緯で新作album"3" をリリースされたんですか?
(i:cubeのサード・アルバム"3" )
今回リリースしたサードアルバムの"3"(スリー)は、 エレクトロニックミュージックと ダンスミュージックを約10〜15年を振り返ってみて、
現在にも影響を及ぼしているようなハウスの原点とか、 テクノなんかを、現代のセンスでより近未来的な視点で 新しい音楽へと拡張させてみようと思ったんだ。
あと全体的な印象は、よりナイーヴなフィーリングを感じれるような 仕上がりになっていて、上質にクラフトされた音楽と言った感じで、
細部に渡るまで奥の深いサウンドがその音空間で聴けるんだ。 その下地になっている部分にナイーヴな人間味のある感覚を 感じる事が出来る。そこに重点を置いて創作したんだ。
●about featured on RZA (Smooth Rap) wu-tang-clan
今作では、RZ A(wu-tang-clan)が、 参加してくれているんだけど、もともとはヨーロッパを一緒 にツアーしてた事もある僕の友達からの紹介で、
RZAがベルリンのクラブでギグがあるというから、彼の パフォーマンスを見に行ったのがはじまりだった。 そして彼のポテンシャルにすごく強いものを感じて、
すぐにコラボレーションの話が決定して、即興的に プロジェクトに参加してもらう事になった。けっこう僕はそういう 出会いから、即興的に何かをやってみようよ!ってなノリで音楽を
創作するのが好きだから、彼とも面白い作品が創れたんだと思う。 彼自身が、リリックを即興でかいて、そのまま僕のトラックへ載せて すぐに仕上がったんだ。彼はプロフェッショナルに、ライムを
バーっと書き上げて、ホントあっと言う間だったね。(笑) デトロイトのbooty sounds、すごく荒い感じのスタイルが好きだね。 生真面目なメッセージ性みたいな物では無く、フリースタイルのラップだった。
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Early development
●少年時代から、おもちゃのサンプラーで色々と遊びながら音楽を
創っていたそうですが、、、
当時13才だった80年代、たまたま持っていたおもちゃのサンプラーを使って、自分の声や、ラジオからの音楽とか、身の回りにある色々な音をサンプルして遊んでいたんだ。それと同時期にアート・オヴ・ノイズなんかを聞き始めて、すごく刺激を受けたんだ。彼らのサンプルを使った革新的な音作りとかスタイルはすごかった。
80年当時、トップレベルにあったエレクトロニックミュージックの日本のYMOとかも大好きだったね。当時自分が所有していたカシオ製(SKー1)のサンプリングマシン(おもちゃ)を使って、彼らのマネ事をし始めたんだ。今でもあのマシンとSKー5を持っていて、ごく稀にレコーディングとかにも使ったりするんだ。
4つのイエローパッドがあって、4パターンの音をサンプリング出来るんだ。8ビートのサウンドをね。すごく汚ったない音なんだけど、いい味だしてる。あと安いドラムマシンの音なんかも、808をもっとチープにした音が出て面白かった。そう、今振り返ってみると、こんなチープな楽器を使って音楽を作りはじめたんだ。(笑)
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●パリの音楽業界に入るキッカケについて、
本格的にプロを目指す様になったのは高校を卒業する頃だったかな。 少しづつお金を貯め始めて、機材を購入するのに充てたりして、 でも実際手に入れたのは、中古品のキーボードやサンプラーだったけどね。
そして、あるキッカケがあって、現在所属しているパリのレーベルである、 <Versataile>と契約が決ってからは、プロの機材を使える様になって行って
だんだんとクオリティーの高い音楽を作れる環境を手に入れた。 ただ、自分の音楽制作のスタイルはあまりゴテゴテと機材を多様するんじゃ なく、ミニマルなセットアップで、面白い音楽を創りたかったんだ。
もちろんテクノロジーが進化した現在では、コンピューターを使い 可能性が格段に向上して、当時と比較して状況が変化して来ている。 昔はスタジオを借りて、何日もかけてエンジニアに高いお金を支払って、
上質な音楽を創っていたけど、今じゃ全然低コストで同質の音楽を創れるようになって状況は良くなって来ている。 自分のホームスタジオにはローランドのサンプラーやエンソニックサンプラー(ASOX)、D80のキーボードなどの機器があるだけのミニマルなセットアップ。
実際に楽曲を制作し始める時には、他のアーティストの作品からインスパイアーされて、そこから、自分なりの解釈で新しい音楽を創りあげたり、そして時が経つにつれてだんだんとそれをエキスパンドしていって、より正確な構成に変えて行く。そして更にパーソナライズして、その音楽を自分のものにしていくんだ。
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●1996-- become
a professional
当時、パリのNova RadioのトップDJだった ジルベールと知合って、<Chateau Flight>を結成したんだけど、 プロとして音楽を造るのと、アマでやるのとでは、まったく意識が
変化して来て、ビジネス的視点であまり受けを狙ったり、深く入り込んで 行ってしまったりすると、方向性を見失ったりもするから、その辺には すごく気をつけていた。だから今でも、その事を忘れずに、音楽を創る時には
音楽そのものを創り出す事だけに集中して、他の事は何も考えないように 心掛けているよ。
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●DJ Gilbert @ Nova radioとどのようにして、出会ったのでしょう?
そもそもパリのNova RadioのトップDJだったジルベールと知合ったのは、 自分の知合いを通じてデモを聞いてもらってフィードバックを貰いたかった為
だった。すぐに彼からの反応があり、丁度Nova radioの方で新しいレーベルを立ち上 げるタイミングだったから、そのまま起用されたんだ。
事実上、自分が<Versataile>の1番目のアーティストだった。 でも、正直言って、本当にこのままプロとしてやってこうかどうか?は決心していなかった。なぜなら、大学にも通っていたし、自分のスタイルが確立している訳けでもなかったし、すごく迷ってた。色々な事柄が、ゆっくりとだったけど、前進していて、
そして2、3年後に、本気でこの道でやって行く事を決心したんだ。
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●ファーストアルバム"Disco Cubizm"について
"Disco Cubizm"は自分の一番最初のアルバムだった。ディスコサウンドから インスピレーションを受け、そこから、全く新しいスタイルのダンスミュージックを
創り始めた。そしてパートナーのジルベールはパリで一番有名なラジオ局にいた関係で本当に沢山の音楽業界のプロデューサーとか知合いで、その中に<ダフトパンク>とかもいて、当時彼らは全然有名じゃなく若いアーティストって感じだった。
すごく面白いプロジェクトだったよ。
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●Chateau Flight(I:cube
+ Gilbert)のスタイルについて
そもそもChateau Flight(シャトーフライト)は沢山のアーティスト達の楽曲を リミックスをする為のプロジェクトだったんだけど、その後
に2人で本格的に自分達のスタイルを全面に打ち出した楽曲を創りたい と強く思うようになったんだ。自分はエレクトロニックミュージックの バックグラウンドが強く、ジルベールの方はよりブラックミュージックの
ソウル、ファンクとかの影響が強かったから、2人が一緒にミックスする事に よって、すごく面白いコンビネーションになったと思う。
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●70s disco sounds(filter
disco)について、
この辺のネタばらしはシークレットなんだけど、ぶちゃっけた話し、 当時、毎週パリの色々なスポットにあるレコード屋に出かけては、 70年代のディスコ〜ソウル、ファンク、ジャズ、エレクトロなんかを中心に
2、30枚、ヴァイナルやCDを買って来て、自分が聞いて気に入った箇所があれば、即サンプルして、ループを創って、新しい音楽に取り入れてたね。
だけど時が経つにつれて、ビンテージもので、より深みのあるジャズとか、それこそ 無名のアーティストの作品などからもサンプルしてた。 通常は明らかにサンプルソースが分かってしまうようなソースには手を出さずに、
パリのどこかのレコード放出セールとかで、わけのわからないようなアーティストの 作品群の中から、面白いものを発掘するんだ。(笑)たまに本当に掘り出しものが
隠されているよ。
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●リミックスワークについて、
自分にとって他のアーティストの作品をリミックスをする事はすごく チャレンジな事なんだ。Chateau Flight名義でやるにしても、
たんにビジネスとしてお金を貰う為ではなく、基本的にそのアーティスト達との コラボレーションとして、一緒にリミックスワークをして良いものに
仕上げて行く。
●次ぎの展開について
Chateau Flight名義で、いくつか新作に取り組んでいるけど、 あと友達がちょっと変わったポップソングを造っているから、 そのリミックスをするかもしれない。これはどちらかというと
面白がって参加するプロジェクトだね。
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●How does music
make U feel?
自分にとって音楽を創る事は、ちょっとセルフィシュに聞こえるかもしれないけど、 自分自身の為なんだ。もちろん自分が創った音楽を通して他の人々とフィーリングを
共有したいからなんだ。自分がやっているインストルメンタル中心の エレクトロニックミュージックは、言葉を超えた次元で色々な人々と意識を共有する
には最適な手段かもしれない。
[取材協力:Michiaki
Satate, MCJP、Interview & Text by jun ide]
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I:Cube
フランスのハウス・シーンにおいて、ダフト・パンク、モーターベース、エールらと並び称される人気者アイ・キューブ。--フランスといえば、オシャレ/独善的/フランソワーズ・モレシャンなどを連想しますが、クラブ業界人の方は真っ先にフィルター・ディスコを挙げるでしょう(ちなみに、ディスコってフランスが発祥らしいですよ)。フィルター・ディスコというのは、70年代ディスコ・サウンドをサンプリングしてフィルターをかますスタイル。簡単に盛り上げられて、しかも極めて手軽に作ることができるために同種が氾濫してしまい、リスナーを困惑させました。しかし、アイ・キューブは激しい過当競争のなかで、ディスコ/ハウスのみならず、お堅いエレクトロなど幅広い音楽性でファンキーな未来志向をみせつけ、他からズバ抜けた才能を発揮したのであります。
フランスで96年に産声を上げたレーベル"Versatile"
その記念すべきレーベルとしてのファースト・カットとなった12inchが"i:cube"の"Disco Cubizm"であった。
i:cubeことNicolas Chaixは、13歳の時におもちゃのキーボードとサンプラーを手に入れ、即興で音作りを始める。その後ドラマーとしてバンド活動をするも飽き足らず、自分で音作りを始める。
デトロイト・テクノに強い影響を受けていた彼は、パリのラジオ局"NOVA"でDJをしていたGilbert (Versatileの設立者であり、i:cubeとはChateau
Flightでユニットを組む)にデモを送ったところ、当時ちょうどレーベルを設立しようとしていたGilbertの耳に引っ掛り、先述した"Disco
Cubizm"でデビューすることになる。
このシングルにはデビュー作にもかかわらず"DAFT PUNK"のリミックスも収録されているが、その経緯は、RADIO
NOVAのDJとしてGilbertが、当時から親交のあったDAFT PUNKに送られてきたばかりのChaixのデモを聴かせたところ、とても気に入りVersatileという新しいレーベルを始めようとしていたGilbertの為に一肌脱いでくれたのだった。
このシングルは15,000枚以上のセールスを半年で成し遂げ、レーベルにとってもi:cubeにとっても幸先の良いスタートとなった。 その後シングルとして"Metamorphik"、さらにファースト・アルバムとなる"Picnic
Attack"をリリース。UKの各音楽誌で絶賛される。 97年にシングル"Mingus in my Pocket"をリリース。その後2枚ほどシングルを出した後、99年には日本でもヒット作となったシングル3部作"Scratch
Robotniks""Tropik""Pooh Pah"をリリースし、全世界的なヒットを記録。同99年これらの諸作を含むセカンド・アルバム"Adore"をリリース。
そしてこの頃からVersatileの総帥Gilbertとともに、二人のユニット"Chateau Flight"もスタート。ちなみに今年のFUJI
ROCK FESTIVALに"Chateau Flight"名義での出演が既に決定している。 今回お届けするi:cubeのサード・アルバム"3"
electronica, detroit techno, houseなど様々なイメージで展開しながらもi:cubeならではのexperimentalな部分とelectro-funkな要素が融合した革新的な作品に仕上げている。
中でもwu-tang-clanのRZAをフィーチャリングした""は、RZAのスムーズなrapとi:cubeの乾いたエレクトロニカ具合が絶妙のブレンドを見せており、アルバム中一番の聴き所となっている。30歳を超え、今最も脂にのっている"i:cube"。Versatileの屋台骨とも言えるアーティストに成長した"i:cube"の新作は2003年度のelectronic
musicのベスト・アルバム・チョイスとなることは間違いない!
[取材協力:Michiaki Satate, MCJP、Interview & Text by jun ide]
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[Supported
by Michiaki Satate, MCJP / Interviewed & Text by Jun Ide]
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